鹿児島県のラーメンについて
◆鹿児島ラーメンの特徴
鹿児島ラーメンは、九州の中でも特に 独自性が強いご当地ラーメン として知られています。博多や熊本のラーメンと同じ「豚骨系」に分類されることが多いですが、その味わいや作り方には大きな違いがあります。
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スープの特徴
鹿児島ラーメンのスープは「豚骨ベース」ですが、博多のような白濁で強烈な豚骨臭のあるものではなく、鶏ガラ・野菜・昆布・鰹節などを合わせて煮込んだ まろやかで優しい味わい が主流です。
豚骨の濃厚さに加え、野菜の甘みや魚介の旨味が溶け込み、飲みやすいスープに仕上がります。これが「南九州らしい穏やかさ」と評されるゆえんです。 -
麺の特徴
九州ラーメンといえば細ストレート麺が定番ですが、鹿児島ラーメンは例外的に やや太めで柔らかい麺 を使います。加水率も高く、博多のバリカタ麺とは対照的に「モチモチ」した食感。
茹で時間が長く、替え玉の文化もほとんどありません。 -
具材の特徴
トッピングは豚チャーシュー、キクラゲ、もやし、ネギが定番ですが、鹿児島では キャベツや揚げネギ、ニンニクチップ を入れる店も多く、野菜が多めなのが特徴。 -
文化的背景
戦後、進駐軍の影響で中華料理が広まり、鹿児島独自のアレンジでラーメン文化が育ったと言われます。豚骨だけでなく鶏ガラや魚介を合わせたのは、もともと和食の出汁文化が根付いていたことと関係しています。
◆鹿児島ラーメンの歴史
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戦後復興期(1940〜50年代)
屋台文化の中で「豚骨+鶏ガラ+野菜」のスープが生まれる。特に「こむらさき」「のり一」などが黎明期の名店。 -
1960〜70年代
鹿児島市内を中心にラーメン店が増加。各店が独自のスープを工夫し「鹿児島ラーメン」と呼ばれるジャンルが形成される。 -
1980年代以降
博多ラーメンの全国進出に比べ、鹿児島ラーメンは「地元に根付いた味」として発展。観光客や出張者が知ることで認知度が広がる。
◆代表的な鹿児島ラーメン店
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こむらさき(鹿児島市)
創業1947年。鹿児島ラーメンの元祖とされる老舗。野菜の甘みが効いたスープに、太めの柔らかい麺が特徴。 -
のり一(鹿児島市)
鹿児島市民に愛される深夜の人気店。さっぱりとしたスープに柔らか麺。飲んだ後の締めラーメンとして有名。 -
ラーメン小金太(鹿児島市)
こってり濃厚なスープに甘みのあるチャーシューが乗る人気店。県外からの観光客にも有名。 -
豚とろ(鹿児島市)
近年の鹿児島ラーメンを代表する店。名前の通り「とろけるチャーシュー」が名物。豚骨ベースながらクリーミーでマイルド。 -
マルチョンラーメン(志布志市)
鹿児島県東部を代表する名店。透明感のある豚骨スープで、さっぱりと食べやすい。
◆鹿児島ラーメンのバリエーション
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黒豚ラーメン
鹿児島特産の黒豚をチャーシューやスープに活用した贅沢なラーメン。観光客向けにも人気。 -
黒マー油ラーメン
熊本ラーメンの影響を受け、焦がしニンニク油を加えた濃厚ラーメンも登場。 -
ご当地コラボ系
サツマイモや地鶏を使った変わり種ラーメンもあり、観光客向けに進化している。
◆鹿児島ラーメンの魅力まとめ
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九州ラーメンの中でも異色の存在(マイルド&野菜の甘み)
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太めで柔らかい麺文化(博多と対極)
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地元民に根付いた屋台文化がルーツ
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黒豚やサツマイモなど鹿児島食材との相性が良い
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観光客も食べやすい優しい味わい
👉 鹿児島ラーメンは「ガツンと濃厚な博多系」とは違い、どこか懐かしく優しい味わいが魅力です。地元民にとってはソウルフードであり、観光客にとっては「九州ラーメンの意外な一面」を発見できるジャンルと言えます。